伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』 / オマージュ大量の冒険潭?
『屍者の帝国』
機械、ロボットの代わりに屍者が動力として活躍する 19世紀の物語。屍者を集めてその帝国の建立を望む何者かを追って世界中を旅するワトソンくん。
大部分はなにで占められているんだろう、ワトソンの思索?ワトソンの会話?とりあえずリアルファイトの描写がそう多くなくて、それぞれがかっこよかったことは覚えている。たぶんどこからのオマージュでもないバーナビーがいいキャラをしている。全体として説明される順番がおかしく、いきなり知らない単語が出てきてあとで解説が入るみたいなことが多い、慣れが必要か。
聖書、文学、世界史あたりの知識がすごい、こういうものを読んだときに文学部がかっこよく思える。僕の脳では拾いきれていない元ネタなどもたくさんあるんだろうなあ。
強いて悪い点をあげるなら、部ごとにおつかい感があること、上記のように説明が不親切なこと、かなあ。
あと伊藤計劃は文末の三点リーダふたつで疑問を表していたけど、この小説はそうではないのね。
たくさんの知識の中からリンクするものを探して、つなげて、新しいものをつくるのはすごく大変で能力のいることである。
理系でもそうだ、過去の論文と実験の結果と、たくさんのデータをインプットしてそこから新しい法則なり物語なりをつくれる人がすぐれた研究者なのではないだろうか。
網羅的知識を持って関係ない分野を繋げて新たなことを発見する、そんな人に憧れる。