oknys’s diary

東大院生、読書、音楽など。

卒業

久しぶりな友人に会えたことや(特に女性陣の)晴れ着を見られるのは嬉しいけど、特に感慨はない。話をろくに聞いてない式典なんかよりは、実際に自分の環境が変わらないと気持ちも動かないということだろうか。

 
そういう意味では最大の変化は研究室の先輩の卒業である、自分のことではないのがなんというか。今回卒業する先輩たちはみんな尊敬できて憧れる人たちだっただけになかなかつらい。実感わいてないけど。
 
大人になるにつれて、世界は広くなる。その分惜別は軽くなる。「会おうと思えば会える」がそのうち没交渉、疎遠になってしまうかもしれないのに。
 
おそらく「『会おうと思えば会えるから大丈夫』という別れをしたのに結局ぜんぜん会わない人」の増加が人間に死別への耐性をつけるのではないか。あまり親しい人と死別していないのでわからない。
 
大学院、どんなもんかね。
 
そして、久しぶりに会うと楽しく喋るのに平時からあえて会おうとは思わない友人たちと、もう少し親しくしたいときはどうすればいいかな。
 
日が経って、いろいろ薄れてきてしまっている、何事もなるはやですね。
 
あさっぷ!

旅行<ベトナム>

とにかく暑い、湿度も高い。乾期のタイのイメージでいったら湿度がぜんぜん違ってつらかった。

 

食べ物はけっこう美味しかった、フランスの植民地だったからフランス料理が多いみたいですね。

 

メコン川は確かに臭かった、本流クルーズよりも支流、小川みたいなやつを小さい船で行く方が楽しかったな。

 

はじめて家族以外と行った外国であるタイの印象が美化されていたのかな、楽しかったけど。どこか足りないというか。

もし新規性だけが良い印象を与えるのだとしたら僕の人生は大変かもしれないなあ。

 

 北欧いきたいっすね。

 

そして旅は道連れも大事だね。

何がしたいのか、ということ

教養が欲しいのである。

 

なんで教養が欲しいのか、そういう人がかっこいからだろう。

 

それに対して本を読んでなんとかしようというアプローチをかける僕の理想というかすでに完成系のような記事があった。

 


あらゆる教養を学びたいあなたへ贈るおすすめの本12冊 - マトリョーシカ的日常

 

大学院修了までに自分なりのこんなものがつくれたらいいなあ、と思う。

竹内久美子『男と女の進化論』 / 妄想

『男と女の進化論』

 

竹内久美子

 

仮説(妄想)バンバン書いちゃうぜ!的な本。だと思いました。

 

ハイイロガンの同性愛カップルの話、無理やり解釈したら腐女子のことにならないかなあ、と思ったり。

 

ハイイロガンは時にオス同士でつがいを作ることがある。これは順位関係のあるハイイロガン社会においてオス同士の"夫婦"は高い地位を占めることが出来るというメリットがあるためである。

しかしこれだけでは同性愛ハイイロガンは子供を残すことはできない。この同性愛カップルの一方にメスが求愛してくることがある、詳細は省くがそのオスはメスと交尾を行い、その後は三匹のグループが定着する。この段階で更に社会の中での順位は高くなる、これが第二のメリットである。子供ができるとその子供は三匹の親鳥によって育てられ、有利に生き延びることができる、これが第三のメリットとなる。

 

たまに(少し前に読んだ統計の本でズタボロにされていた)キンゼイ報告がでてきて、おおー、と思った。全然関係ない本で同じものが出てくると知識がリンクする感じがあって嬉しい。

 

人間のネオテニー幼形成熟)の話、49ページからかな、面白かった。

多くの章にまたがる前提としては、人間は(チンパンジーと比較して)恒常的に発情している反面、歳をとるとハゲやシワによって発情期の終わりを喧伝する(ただ、これは実際に発情しなくなったのではないのかもしれない、ハゲやシワに悩んでいるから)というものがある。

 

 

ところで、同性愛は遺伝するんですかね。一般的に同性愛は子孫を残せないはずなんだけど。その手の調査結果も書いてあったけどイマイチはっきりしないです。

同性愛は遺伝子によらず個体に偶発的に発生する、または完全な同性愛というものは存在せず実態としては両性愛である、または社会的圧力によって同性愛も子孫を残していた。などの理由が考えられる?センシティブな問題かもしれない。

 

 

 

伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』 / オマージュ大量の冒険潭?

屍者の帝国

伊藤計劃/円城塔

 

機械、ロボットの代わりに屍者が動力として活躍する 19世紀の物語。屍者を集めてその帝国の建立を望む何者かを追って世界中を旅するワトソンくん。

 

大部分はなにで占められているんだろう、ワトソンの思索?ワトソンの会話?とりあえずリアルファイトの描写がそう多くなくて、それぞれがかっこよかったことは覚えている。たぶんどこからのオマージュでもないバーナビーがいいキャラをしている。全体として説明される順番がおかしく、いきなり知らない単語が出てきてあとで解説が入るみたいなことが多い、慣れが必要か。

聖書、文学、世界史あたりの知識がすごい、こういうものを読んだときに文学部がかっこよく思える。僕の脳では拾いきれていない元ネタなどもたくさんあるんだろうなあ。

強いて悪い点をあげるなら、部ごとにおつかい感があること、上記のように説明が不親切なこと、かなあ。

あと伊藤計劃は文末の三点リーダふたつで疑問を表していたけど、この小説はそうではないのね。

 

たくさんの知識の中からリンクするものを探して、つなげて、新しいものをつくるのはすごく大変で能力のいることである。

理系でもそうだ、過去の論文と実験の結果と、たくさんのデータをインプットしてそこから新しい法則なり物語なりをつくれる人がすぐれた研究者なのではないだろうか。

網羅的知識を持って関係ない分野を繋げて新たなことを発見する、そんな人に憧れる。

 

 


屍者の帝国 おくねいすさんの感想 - 読書メーター